あがり症は緊張ではない

あがり症とは緊張のことではありません。
あがり症とは緊張の別名、もしくは極度の緊張をあがり症とする認識が多いようですが、これは間違いだということをまず最初に知っておいてください。

あがり症と緊張は、似てはいてもあくまでも異なるものです。

ただの緊張なら、誰にでも経験のあることでしょう。
大勢の前で発表しなければならないときや、入社試験の面接といった場面。
そんな重大な舞台となると、誰だって少なからず緊張するものです。

心臓の音が周囲の人にまで聞こえるのではないかと思うほど大きく、また馬の足音のように早鐘を打ちますね。
けれどそんな緊張とは裏腹に、発表や面接が終わってしまえば、あの緊張は何だったのかと疑問に思うほど、至極あっさりと乗り越えられたことが分かります。 緊張とはそんなものです。

けれど、あがり症は違います。

緊張が発表や面接といった大舞台に際して軽い恐怖感を感じるのに対し、あがり症は何でもないときでさえ恐怖感を感じてしまいます。
そのため、緊張を「条件恐怖」、あがり症を「無条件恐怖」と区別されているのですが・・・

・・・いえ、何でもないと思うのはあがり症ではない人の意見です。
あがり症の人にとっては、それでさえ充分恐怖を感じるに足る条件がそこにあるのですから。

例えば、電話に出るとき。
例えば、誰かに道を訊ねるとき。
例えば、他人と食事するとき・・・

こんなことで恐怖を感じるなんて、理解できない人もいるかもしれません。
だったら、あなたはあがり症ではないでしょう。
もし心当たりがあるなら、あなたはあがり症である可能性があります。

ですが、自分があがり症だなんて考えも及ばず、ただ緊張し易い性質なのだと思い込んでいる人も多いようです。
けれど、緊張には留まらない不利益があがり症にはあります。

電話に出ても上手く話せないことはありませんか?
誰にも道を訊ねられず立ち往生したことはありませんか?
他人の視線が気になって食事が喉を通らないことはありませんか?

もしかすると、今までにもあがり症が仇となって、他人に不快感を与えているかもしれません。
そればかりか、自分自身の日常生活にまで支障を来たす恐れがあります。

繰り返しますが、あがり症とは緊張ではありません。
あがり症はれっきとした精神疾患のひとつです。
しかし、それは裏を返せば努力次第で改善が可能ということでもあるのです。