あがり症の克服方法として効果が期待できるのが、呼吸法による克服です。
呼吸法と言っても難しいことではなく、鼻から息を吸い口から吐くという腹式呼吸。
特別な道具や準備を必要としないため、あがり症が起こりそうなときにはすぐに実践できるのが、呼吸法の良いところです。
あがり症とまでいかなくても、緊張しているときには深呼吸してリラックスするよう勧められますね。
この深呼吸も腹式呼吸を意味しているので、特別呼吸法として意識することはなくても、我々は緊張を呼吸法によって克服しようとしていたことが判ります。
呼吸法による克服方法は、あがり症の症状に呼吸の乱れが見られる人に有効です。
といっても、あがり症で呼吸が乱れるのはほとんどの人に見られる典型的な症状でしょう。
軽い緊張でさえ最も自覚しやすい症状が鼓動が早くなることで、それに合わせて脈拍も上がり、呼吸の乱れも伴うものなので、あがり症であればなおさらです。
あがり症で見られる呼吸の乱れとは、呼吸が浅くなったりリズムが不規則になるといったことです。
また、症状が重くなると呼吸の仕方が判らなくなってしまうという一種のパニック状態に陥る場合もあります。
あがり症や緊張は、興奮を司る交感神経が活発になることで起こります。
対し、深くゆっくりと呼吸をすることで、真逆の性質を持つリラックスを司る副交感神経が活発になります。
深呼吸によって、強張っていた体が解れるなど余計な力が抜け自然と落ち着くようになるのは、そういった仕組みにあります。
また、新鮮な空気を吸い込むことで頭がすっきりするという効果もありますね。
さて、あがり症の克服方法として実践したい呼吸法は腹式呼吸です。
腹式呼吸とは前述したとおり深呼吸のことで、簡単に説明すれば鼻から息を吸って口から吐くという方法ですが、以下のことも意識して行いましょう。
まずは姿勢を正します。
立っている状態でも、座っている状態でも構いません。
顎を引いて、背筋を伸ばし、肩の力を抜きます。
背筋を伸ばすときには、頭頂部の髪を真上に引っ張られているようイメージすると良いでしょう。
呼吸は鼻から空気を吸いますが、このとき空気を胸ではなくお腹に入れるつもりでお腹を膨らませます。
口から息を吐くときには、お腹に入れた空気を全て吐き出すつもりでお腹をへこませます。
どちらも10秒ほどかけてゆっくりと行うのがポイント。
中でも副交感神経が活発になるのは息を吐くときなので、吐く動作を特にゆっくりと行うよう心がけましょう。
呼吸法でのあがり症克服は手軽な方法ではありますが、この腹式呼吸は慣れないうちはなかなか難しいものです。
通常の呼吸では、息を吸えば肺を膨らませるためにお腹は逆にへこみ、息を吐けばへこんだ分膨らむのですが、それを逆に動かすのが腹式呼吸です。
また、あがり症の症状が起きているときに呼吸法を行おうとしても、ある程度腹式呼吸に慣れていなくては効果的な呼吸法になりません。
あがり症の人は普段から腹式呼吸の練習をしておくようお勧めします。
呼吸法を体で覚えておくことでいざというときに正しく行えるようになりますし、日常的に腹式呼吸をしていればあがり症の症状も徐々に緩和されていきます。
練習の際には、息を吸ったときにお腹を膨らませ、吐いたときにへこませることを意識するため、腹部に手を宛てて行うようにしましょう。